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◆特定社会保険労務士概要

特定社会保険労務士とは、特別研修を修了し、紛争解決手続代理業務試験に合格し、付記を受け、
社会保険労務士業務における紛争解決手続代理業務を行うことができる社会保険労務士のことを言います。
(社会保険労務士法第2条2項)

社会保険労務士法第23条「社会保険労務士の労働争議への介入禁止」の削除されたことにより、
司法制度改革の流れで導入され、平成19年4月より「特定社会保険労務士制度」がはじまりました。

これにより労働トラブルのADR(裁判によらない紛争解決手続)代理業務が行えるようになりました。


特定社会保険労務士が行える紛争解決手続代理業務とは、次のものがあります。
(社会保険労務士法第2条第1項1号の4から同項1号の6)


  • 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第6条第1項の紛争調整委員会における同法第5条第1項のあつせんの手続並びに雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第18条第1項、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第52条の5第1項及び短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律第22条第1項の調停の手続について、紛争の当事者を代理すること。(第1項第1号の4)
  • 地方自治法第180条の2の規定に基づく都道府県知事の委任を受けて都道府県労働委員会が行う個別労働関係紛争に関するあつせんの手続について、紛争の当事者を代理すること。(第1項第1号の5)
  • 個別労働関係紛争に関する民間紛争解決手続であつて、個別労働関係紛争の民間紛争解決手続の業務を公正かつ適確に行うことができると認められる団体として厚生労働大臣が指定するものが行うものについて、紛争の当事者を代理すること。(第1項第1号の6)

簡単に言うと、

  • 個別労働関係紛争について都道府県労働委員会が行うあっせんの手続の代理
  • 男女雇用機会均等法に基づき都道府県労働局が行う調停の手続の代理
  • 個別労働関係紛争について厚生労働大臣が指定する団体が行う裁判外紛争解決手続の代理

これらのあっせん代理などの業務は、特定社会保険労務士しか行えない業務です。


◆特定社会保険労務士ができない業務内容

●社会保険労務士法第22条2項

特定社会保険労務士は、次に掲げる事件については、紛争解決手続代理業務を行つてはならない。

ただし、第3号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。

  • 1.紛争解決手続代理業務に関するものとして、相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
  • 2.紛争解決手続代理業務に関するものとして相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの
  • 3.紛争解決手続代理業務に関するものとして受任している事件の相手方からの依頼による他の事件
  • 4.開業社会保険労務士の使用人である社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員若しくは使用人である社会保険労務士としてその業務に従事していた期間内に、その開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人が、紛争解決手続代理業務に関するものとして、相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件であつて、自らこれに関与したもの
  • 5.開業社会保険労務士の使用人である社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員若しくは使用人である社会保険労務士としてその業務に従事していた期間内に、その開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人が紛争解決手続代理業務に関するものとして相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるものであつて、自らこれに関与したもの

◆この制度の誕生に至った理由

賃金・残業代の未払い、不当解雇、リストラ、セクハラ、パワハラ・・・・・
労働者と経営者のトラブルは増加の一途です。

これはグローバル化により、国際競争が激しくなり、リストラや成果報酬導入、
労働条件に悪化などにより、労使間の紛争が起こっています。


これら個別の労働紛争を解決する労働関連の専門家としての役割が求められ、
特定社会保険労務士制度が誕生しました。


裁判を起こすにも費用・時間がかかる、だけど泣き寝入りもしたくない、
労働関連の専門家に相談したいというときに、当事者に代わって裁判外でトラブルを解決する手伝いをしてくれます。


◆特定社会保険労務士になるには

特定社会保険労務士になるにはこちらをご覧ください。

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