ここは「海事代理士試験」にクローズアップした合格体験記です
- 名前= DAIさん
- 資格名= 海事代理士
- 年齢= 24
- 性別= 男性
- 血液型= O型
- 取得年齢= 23
- 最終学歴= 大学在学
- 取得期間= 半年未満
- 費用、学費(雑費含む・およそ)= 25000円
- 年商・年収・所得= 秘密
- 労働時間・休暇= 日によります
私は高校も中退で、自分の武器といえば、事業を営むというノウハウだけでした。
しかし、昨今の不景気を考えると、やはり、何の資格もなく、
その能力だけで生きていくのには一抹の不安が隠しきれませんでした。
そんな私は、自営業の経験と、亡くなった父親の影響から、法律職というものに憧れ、
司法書士を目指すことを決意しました。
そして、事業で生計を立てながら、日々、司法書士試験の勉強を続けている私には 衝撃的な出会いがありました。
TVドラマ化もされたご存知「ナニワ金融道」です。
その漫画の中に、私に海事代理士の受験を決意させる文言が2つありました。
「兄さん、海の世界は不動産に負けず劣らず儲かりまっせ。これからは海や。
金融屋なら海に目をつけんとな」
「わしは必死に勉強して海の司法書士と呼ばれている海事代理士に合格したんや」
この衝撃的出会いをキッカケに、海事代理士とは何なのだと、自分也に調べてみることに始まり、 司法書士同様、登記業務があることを知りました。
将来的に、海の近くに住みたいというのもあったし、 それに、不動産と船舶、両方の登記を一手に引き受けることができたらきっと面白いだろうな、 と強く思い、一旦司法書士の勉強を止め、海事代理士試験の勉強に専念することになりました。
勉強を始めて思ったのが、とにかくしんどいということです。
試験科目がなんと18科目で、法施行規則・施行令を併せると驚きの30科目超えです!
加えて内陸育ちの私には海の専門用語が1からわからないという状態で、
さらに、宅建や行政書士試験のように、予備校が丁寧に書いたテキストなるものが存在せず、
当会出版の「海事代理士合格マニュアル(問題集)」だけしか海事代理士試験の書籍はありませんでした。
その時点で、げぇ〜!まぢかい!こんなん俺にできるかなぁ、という衝撃と強い不安がありました。
勉強の方法としては、とにかくマニュアルの問題を解くことでした。
問題の解き方は、マニュアルのヒントにある条文をとにかく「実用海事六法」を開き、 参照するの繰り返しでした。
海事代理士試験は、とにかくこれをやるに尽きます。
むしろ、これ以上広げるのは逆に毒になる可能性があります。
後学のためにはいいでしょうが、海事代理士試験とそれは別物だからです。
問題を解く際に必ず海事六法で、該当条文を引く。条文をいちいち引くのって面倒くさくない?
ということを感じるかも知れませんが、法律を勉強する上で非常に重要です。
条文を覚えるということは、法律を勉強する上で、とても大切なんです。
根気よく条文を参照する上で、大切な能力が養われるからです。
それにこの試験は、条文に突然穴を開けるという、なんとも意味のわからない問題を出してくる傾向もあるので、その対策にもなりますし。
次に、法律を勉強したことがある方はわかると思いますが、
条文というのはとにかく素人には理解しづらく作られています。
それも日常縁のない海事法令だったので、尚更です。
文言の意味がわかるわからない以前に、用語の意味がまったくわからないという壁にぶつかる強烈かつ最悪な状況です。
うわーっ!!!ですまさに・・・。まず、広辞苑は必須でした。
ここで挫折する人はきっと多いかと思います。
しかし、私には断固とした決意があり、この壁をなんとか根性で乗り切りました。
尚、勉強のスケジュールの立て方については後述します。
次に、各法令の細かな数字を覚えるのが非常にしんどかったです。
しかしこれは、各法令ごとに、自分なりに数字をノートにまとめて、後はひたすらマニュアルを解く、
これでなんとか解決することができました。
この数字問題を侮らない方がいいです。
ここでの点数は試験の合否に響きます。
憲法・民法は司法書士試験・行政書士試験の学習をしているので、 まぁ余裕だろうと、油断していました。
本試験では、条文に突然、不意を付く形で穴を開け、記述を要求してくるという、 ある意味、悪質な内容に散々な結果でした。
試験官に物申してやりたい!と思ったのはきっと私だけではないはずかと・・・。
今後もこの傾向は続いていくと思います。
ですが、やはり根気よくマニュアルを解き、半分でも取ろうという努力は必要かと思います。
しかし、何の勉強にしてもそうですが、効率が重要です。
民法・商法・船員法・国土交通省設置法・新試験科目は対策が極めて取りづらいし、 試験でも点数に結びつかないことが多いです。
逆に、交通・運送系6科目と、造船方、船舶トン数の問題は絶対に点数にしなければ、 試験合格は難しいと思います。
なので、自分なりに考えて勉強のバランスを取ることが大切です。時は金なりですからね。
それと余談になりますが、試験勉強自体は人によりますが、時間に余裕のある人は最低2ヶ月、 無い人は6ヶ月を目安に考えて、 試験勉強を始める前に2級の小型船舶操縦士試験を受けてみるというのもありだと思います。
私は海事代理士試験合格後に後学のために受験したのですが、結構役立ちます。
次に口述試験ですが、これは司法書士試験や土地家屋調査士試験の口述とは異なり、
バシバシ落とされます。
ですが、本誌の口述対策と、筆記問題をしっかりやれば大丈夫です。
私はMDに自分の声を録音し、それを常時携帯し、常時聞き、 自分の声に対し返答するという形で勉強しました。
筆記とは違い、目で見て、書いて答えるのではなく、耳で聞いて、喋って答えるのです。
これは全然違います。
筆記試験の場合は、試験時間は十分すぎるほどありますが、口述試験は1科目3分程です。
つまり、考えていては、正解できません。
「今日って何曜日だっけ?」に対し「日曜だよ」と、この感覚で即答できる必要があります。
そこへきて、私が取った勉強方法は非常に効果があると思います。
私はこれで9割以上正解できました。
それともう1つの強大な敵がいます。
これが海事代理士試験最大の難敵といっても過言ではないと私は考えています。
それは「緊張」です。
なぜそういった見解になるかというと、自分で仮想緊張状態が出来る人はやってみればわかります。
普段、パッと出る文言が、パニックになって、いわゆる怒忘れ状態になるのです。
それにより、さらに焦り、余計に出てこないという悪循環、そしてタイムアウト、
なんていうことも有り得ます。
しかもすぐ隣で別の人が別の科目の試験を受けているので、 その受験生の大きな声にも惑わされる始末です。
加えて、科目によっては試験管の声が著しく小さいということもありました。
これに緊張が加わると、自分の力をまったく発揮できず撃沈するわけです。
しかし、日付や曜日を緊張状態に聞かれたからといって答えられないことはないでしょう。
そのくらいの勢いで完璧にしておけば、恐るるに足らずです。
この試験は司法書士試験などと違い、大変だけどやれば絶対できる試験です。
つまり、頑張った分が確実に還元されるのです。
ですから少なくとも本誌をパーフェクトにすることが、海事代理士試験合格へ向けて学習する上で、 慣用だと思います。
私流の勉強のスケジュールの立て方をご紹介します。
前述したように、学習する科目は18科目あります。
ペースとしては、インプットは1週間につき、2科目です。
船員法や、船舶安全法などの口述試験出題科目はボリュームもあって大変でしょうが頑張ってください。
やり方としては、月曜日にまず1科目めの範囲をしっかりと学習する。
なにから始めるかは皆さんの自由です。
私は行政書士試験と司法書士試験の受験生であったため、憲法・民法は得意と自負していましたので、
海事法令科目の国土交通省設置法から始めました
(海商法も後でやろうと思い、後回しにしました)。
月曜にマニュアルにある問題を海事六法を使ってしっかり学習します。
次に、火曜日に月曜(前日)にやった問題をもう一度解く。
前日に解いた問題を解くわけなので、比較的楽です。
水曜は、月・火と2回解いた問題をもう一度解く。
2回も解いた問題なので、解いている最中に「これは○○だから不正解だな」といった感じで、 かなり楽に解ける。
この際に注意しなければいけないのは、問題を暗記しては駄目です。
それでは勉強にならないでしょ。
何が間違っているのか、関連した知識は何だったかな、といった感じで理解重視で勉強してください。
木曜に次の科目に行きます。
木曜に問題を解いて、金曜に木曜に解いた問題を解く→土曜に木・金と2回やった問題を解く。
日曜に休憩するか勉強するかは自由です。
7科目めの月曜に1科目めの科目を同じペースで解く。
つまり、7科目めからの学習の比重がグッと重くなります。
しかも、意外と忘れているんです。
ちょうど1ヶ月ほど前に3回も解いた問題でもあるのにかかわらず。
だからこそ時期的に調度いいんです。
次に、一通り筆記科目のインプットを完了したら、後はアウトプットに全力疾走するのみです。
よく間違える箇所をノートにまとめたり、交通・運送系科目の数字の細かいところをしっかりとまとめるのです。
このペースでの学習をきちんとできれば、およそ3ヶ月での筆記試験の合格が可能です。
やってはいけないのが、「今日は忙しいから、今日の分は明日やればいいや」的なことです。
今日やらないものを明日やる保障がありますか?ないでしょ。
だから自分の心にけじめと言うものをしっかりつけて、やるべきことは必ずやる。
これを実践してください。
筆記試験は、朝から夕方までの長期戦になります。
前日に緊張で眠れなかったのでモチベーションとしては、グダグダでした。
そういった状況の中、なんだか物々しい警備がされている、
堅い雰囲気のある試験会場である建物の中に入りました。
私の場合は、関東運輸局だったのですが、食堂や喫茶があって、比較的ゆったりできる。
トイレもウォシュレット付きと、まさに至れり尽くせりでした。たぶん、他所も同じかと思います。
この試験の凄まじいところが、本来全部で3時間もあれば十分な内容なのにもかかわらず、
およそ9時間近くも要求しているところにあると思います。
4時限に分けて試験をするわけですが、各時限ごとに10分前後の休み、
お昼は1時間の休みがあります。
ですがこれ、長いんですとにかく。無意味なことです。
ちゃんと死ぬ気でみっちりと勉強してきた私にとっては、
1時限につき、およそ20〜30分で片付いてしまいました。
そうなると、退室は基本的に自由なので
(その後の入室は、次時限目まで不可。
とはいえ、私のときにはトイレに出て行ってる方がおられました。国家試験なのにそんなのありか!)、
回答後、即、待合室で次時限目の科目を1時間以上に渡り勉強できるのです。
筆記試験の合格率は、およそ40%前後ですが、この高い合格率の背後にはこういった試験制度の不備が指摘されるところだと思いました。
つまり、2週間くらいの勉強でも受かる人は受かってしまうんです。
だってそうでしょう?時限ごとに勉強しなおせるんですよ?
とはいえ、海事代理士として、今後活動していくつもりであれば、やはり法制度自体をしっかりと理解して、その内容を把握した上で、上位合格するのが、海事法令の専門家・海事代理士としての務めであると私は考えております。
筆記試験に無事合格すると、しばらくした頃に筆記試験合格の通知&後述試験案内がきます。
尚、この筆記試験合格通知は記念になりますので取っておきましょう笑
私は口述対策として、前述した勉強以外に一応、小型船舶操縦士の受験年齢などを 海洋レジャー安全振興協会ホームページをじっくり見て、完璧にしておいたところ、 見事出題されました。
口述試験は、8人がAグループとBグループという形で2組に分かれて試験室に案内されました。
このグループに関しては、筆記試験の合格通知と一緒に個々人の試験時間・グループを書いた冊子が送られてきました。
前のグループが試験室に入った後の緊張感といったらこれはもう大変でした。
大丈夫!やることやったんだ!俺ならできる!海事代理士になるんだ!!
という意識で、試験室へと入りました。
試験室内では、4人一組で部屋に入り、各々が各科目ごとのテーブルで試験官と向き合って、
1科目につき3分程度の質問に答えます。
尚、どの科目が最初にくるかなどは、直前までわかりません。
1科目終了すると次の科目のテーブルに移動します。
途中でどうしてもわからない問題が出て、言葉に詰まっていると、
とゆうより「わかんないよ〜」と、目で訴えると、助け船をくれました。
まぁそれでも結局わからなかったわけでしたが・・・。
これにより、勉強していないで口述試験に挑んだ人が受かっているのが実情だと思いました。
受験者の私からすれば嬉しかったですが、試験制度自体としては、
不備どころの騒ぎではすまない話ですよね。
仕方がなかったので、「わからないので次の問題を下さい」と言いました。
試験時間は3分ないので、やはり焦りはありました。
そして、時間が余ったので、パスした問題をもう一度出してくれました。
ただ、これは絶対出してくれるとは言えないと思います。
事実、船舶安全法なんかでは、「間違った問題ありましたかねぇ?」と質問したときにノーコメントでした
(それが当たり前なのだが・・・)。
それはもしかしたら私が全問正解したから?という可能性もありますが、
それは神のみぞ知るところであります。
それから思ったのが、一緒に試験してる受験生が気になるのなんの・・・。
あの環境では誰しもそう感じてしまうだろうと思いました。
加えて、それに反比例して試験管の声が小さかったので、 私は、ほぼ、試験管の顔と20cm程度の距離まで身を乗り出して回答していました。
多分、試験管の方々は、なんぢゃこいつ・・・と思っていたかも。
試験終了後、足取りも軽やかに帰宅し、試験合格通知までの1ヶ月間を楽しみに待つことになりました。
なぜなら私はこのとき既に、合格を確信していたからです。
海事代理士事務所を設立しました。
海事に関わらず、法律手続きというものは煩雑で時間もかかり、とても大変です。
私の事務所ではそういった面倒な手続きに関わる書類の作成・提出の代理・これらに関わる調査・資料収集等を誠実・丁寧・敏速に処理致します。
【事務所HP】 高松海事法務事務所:http://takamatsu-office.com
私は将来的に司法書士になることを目標にしているわけですが、 現在、海事代理士としての活動を始め、営業やクライアントからの電話の応対など、 今までとは違う仕事、そして日々が始まりました。
それにより、己が自信も些少ですが付きましたし、何よりも人生観が変わったという想いがあります。
後のためにも非常に勉強になると思いますし。 なにより、ただ単純にこの、初めての士業というものが「楽しい」んです。
初めて依頼がきたときは、いい年こいて家中をはしゃぎ回ってしまったものです。
私はネット販売業を3年ほどやっておりますが、まったく別の感動がありました。
知人から、とかではなく、全然顔も知らない人からの依頼です。
販売をやっているのだから、感動なんかないだろ? そして顔も知らない人からっていうのは当たり前の話だろ?と思うでしょうが、また別次元なのです。 自分でもこんな気持ちになるとはとても予想していませんでした。
まさに想定外!!しょうもない話かも知れませんが、 私はそのとき、本当に本当に嬉しくて、なにか少し熱くこみ上げるてくるものがありました。
私は海事代理士になって、いろんな意味で本当に良かったと思っています。
士業を志す人間にとって、下積みをできること。
また、業務の幅が広がることにあるでしょう。
立場上、控えさせて頂きます。すみません・・・
受験するならば気になるところでしょう。
やはり、個人の能力に大きく左右されるでしょう。
言うなれば、たとえ弁護士資格を持っていようが、会計士資格を持っていようが、 儲けられない人は儲けられないと思います。
とにかく努力ですね。
行政書士・司法書士・社労士ですね。
あとは2級海上特殊無線技士も取得すると、業務上役立ちます。
立場上、控えさせて頂きます。すみません・・・
海事代理士業界はこれからだと私は思っています。
これからの海事代理士業界を背負って立っていく世代の方々も是非、海事代理士試験の受験にチャレンジし、海の法律の専門家となるべく、会への入会を強くお勧めします。
日本は海に囲まれた東洋の神秘!その誇りを持って、海事代理士として一緒に頑張っていきましょう!